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「グレアム尊士の好き勝手放題」

      

 

      

『コンコンコレクター - SHOP SQUAD -』

- 2nd Season -

Chapter_01 【 捕獲作戦 - Triple Three - 】 Part_3

 

 

 

 

 

**      **      **      **      **      **

 

 

 

 そのとき…ゴゴゴゴゴゴン…遠くから、大地を揺るがす地鳴りが響く。

 しかもそれは、段々こちらに近づいてきていた。

「…なんだろう?」

 レーダーを使うことができない環境で、クレインは感覚を総動員して周囲の気配を探る。

 こんなとき、彼女であればすぐに正体を看破できるのだろうか…クレインはついさっき相対した少女の姿を思い浮かべ、嘆息する。彼はかなり以前から、自分たちの狐魂としての能力が低いことを自覚していた。

 やがて、地面が隆起するとともに巨大な狐魂がクレインの前に姿を現す。

 風と豊穣を司る狐魂、吹き荒ぶタツマナガギツネ!

「これは…!」

 威圧的なオーラを放つタツマナガギツネに、クレインは驚きの声を上げた。

 一方でタツマナガギツネは言葉を発することなく、ただじっとクレインを見つめ…

 プルプルプルプル。

 頭部に装着されたプロペラのようなものを、回した。

「おおお…!」

「こゃーん」

 みょんみょんみょんみょん。

 目を見開き感嘆の息を漏らすクレインの前で、今度は触覚のようなものを揺らすタツマナガギツネ。

 それは奇妙なコミニュケーションだった。互いに触れたり、攻撃したり、意味のある言葉を交わすことなく、プロペラを回したり、クローを回転させたり、触覚をふわふわ動かしたり、耳をぴこぴこと動かしたり、そしてタツマナガギツネは物憂げな声で「こゃーん」と鳴き、クレインはいかにも素晴らしい芸術品を見たときのように「おお…!」と感慨深いため息をついたりしていた。

 やがてタツマナガギツネが両手を掲げると、はじめて「こゃーん」以外の言葉を発した。

「とりにてぃ(三位一体的奇迹)」

 クレインにはその言葉の意味が理解できなかった。

 しかしその意味をタツマナガギツネに問おうとしたとき、彼の姿はタツマナガギツネもろともその場から消えてしまった。

 

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「随分手酷くやられたな。なんにせよ、生きてて良かったよ」

「べーやん…遅いよ。でも、見つけてくれて、ありがと」

「あー、いや…オレが自分で見つけたわけじゃない。ほら、見ろよ」

 ぐったりと地面に横たわっていたチャペルは、いつの間にかすぐ傍に寄り添っていたベケットに促され、首をぐるりと回した。

 そこにはベケットだけでなくクレインもいて、ヘッドセットをどこへやったのか、包帯をグルグル巻きにした素顔を晒している。なにより、そのさらに背後には三匹の狐魂…ホムラナガギツネ、スベラナガギツネ、タツマナガギツネがチャペルたちを取り囲むようにして佇んでいた。

「どうやら、連中がオレたちを一箇所に集めたらしい。テレポーテーション…か、何かの類だろう」

 ベケットがそう言ったとき、どうやら三匹の中でもリーダー格らしいホムラナガギツネが口を開いた。

「余所者よ。我らが聖地に何の用があって足を踏み入れた」

「踏み入れたのだ」

「のだ」

 ホムラナガギツネに続き、スベラナガギツネ、タツマナガギツネが口々に囃したてる。

 心配そうに見つめるチャペルと、どこか憧れの眼差しを向けるクレインをさておき、ベケットが一歩前に出る。

 ここはグループのリーダー同士で話をつけるべきだろう。

「オレたちはツァンダに展開している企業と敵対している反政府組織に協力している狐魂を探しに来た。おまえらがそうか?」

「西洋人、余所者、外の風を運んでくる者よ。なぜ我々に関わろうとする?これは我々と、我らが臣民を虐げる侵略者、恥を知らぬ愚か者との間の問題だ。お主ら部外者が興味を持つ理由がわからぬ」

「わからぬぞ」

「ぬぞ」

「そっちこそ、なぜ反政府組織に協力する?臣民って誰のことだ」

「臣民は臣民、我を崇め奉る地元の民よ。我らはこのチベットの大地を守護する狐魂。チベットの大地に住み、我を敬う民を救うために戦うのは当然のことであろう」

「ことだろう」

「だろう」

「なんてこった…おまえら、土地神か!」

「あの蛮族どもは長きに渡って我々を、我らが臣民を苦しめてきた。いまさら反撃したからといって、それで我らを逆賊扱いするなどとは言語道断。世人が何を言おうとも、正義は我らにあるのだ」

「とてもあるのだ」

「のだ」

「しかし、だったらなぜ直接中国企業や軍事施設を叩かない?あくまで防戦に徹する理由はなんだ」

「…我らは、故郷の土の中でしか生きることができぬ。余所者の地に足を踏み入れたならば、たちまち力を失ってしまうであろう」

「しまうのだ」

「のだ」

 なるほど、だいたいわかった…ベケットはそうひとりごちた。

 彼らは古くからこの地で奉られている土地神で、中国政府のツァンダ再開発…という名の侵略…を契機に力を顕在化させ、チベット解放戦線に協力することを決断したらしい。

 中国政府や、ツァンダにオフィスを置く各欧米企業にとってチベット解放戦線はただの反政府ゲリラ、テロ組織でしかないが、スナギツネたちにとっては自らを信仰の対象とする尊い存在なのだろう。

 また、欧米人を部外者扱いするのは、そもそも中国政府がツァンダ再開発に乗り込んだ経緯や各国企業の動向などを知らないためだろう。おそらく政治的な話には興味がなく、ただ虐げられたがために反撃した…そういう、極めて原始的な防衛本能からの行動だと思われる。

「どうするんだい、少佐?」

「さてな。できれば捕獲しろ、と言われちゃいるが、現状でそれは不可能だ。力の差がありすぎる…この土地にいる限り連中の力は強大で、それに万が一国外へ連れ出せたにしろ、この土地を離れることは、あいつらにとって存在意義を失うことになる…たぶん、命に関わるだろう」

「そうだね。彼らが信仰や土地にこだわるのは、ただの思い込みや使命感からじゃない。彼らにとっては、信仰や土地こそが力の源なんだ」

「なにより、こいつらの存在をどうこうするのは、この土地の問題に深入りし過ぎることになる。いまツァンダは微妙なパワーバランスの上に成り立ってる…そいつがひとたび崩れれば、どうなるかわかったもんじゃない」

「つまり、いますぐ結論を出すべきじゃない」

「そういうことだ(That it)」

 クレインと言葉を交わしながら、ベケットはそう決定を下した。

 ただの情報、それも、おそらく中国政府は把握しているであろう情報を入手しただけ、とあっては成果の少なさに上層部は不満の声を漏らすだろうが、それでも、それが「現地で入手した確実に信頼できる情報」だというのが重要なのだ。

 この件に関しては改めて上層部の判断を仰ぎ、現地の米国企業の今後の活動方針を含む決定を下してもらわねばならない。

 改めてスナギツネたちに向き直ると、ベケットは声を張り上げた。

「今回の件については、うちのボスに報告しておくよ。なに、悪いようにはしないさ…中国政府の横暴は今にはじまったことじゃないが、オレたちだって、いつまでも見て見ぬフリをしてるわけじゃない」

「これは我々の問題だ。余所者は余計なことを考えるな」

「考えるんじゃない」

「考えない」

 スナギツネたちは口々にそう言うと、皆おなじ動作で両手を掲げ、まばゆい光を放った。

 その光は夜が昼になったかのように明るく、ベケットたちは目を焼かないよう咄嗟に顔を手でおさえる。

 そして…

「「「とりにてぃ」」」

 謎のつぶやきとともに三匹のスナギツネたちは姿を消し、そしてふたたび夜は暗闇を取り戻した。

「ウームム(U-mm)…」

 咄嗟に目をかばったものの、あまりに眩しい光を一瞬でも直視してしまったため、ベケットたちはふたたび暗闇に目を慣らすのに苦労しなければならなかった。

「ヘッドセットの光量補正機能を作動させるのを忘れてたぜ」

「キミ、使わなかったのかい?ボクなんかヘッドセットそのものが壊れてしまったのに」

「壊れた?いったい、どうしたってんだ」

「蹴られたんだ」

「蹴られた?」

「女の子に蹴られた」

「女に…」

「そう」

「で、大抵の銃弾は防げるヘッドセットが壊れたって?」

「粉々にね」

「恐ろしいな」

 平然と話すクレインに相槌をうちながら、ベケットはチャペルに肩を貸した。

「よいしょっと」

「その、よいしょって言うの、やめてよ…アタシが重いみたいじゃないのよさ」

「重いのはスーツだろ。それともオマエ、重くなったのか?」

「何割かはね。鉛弾で」

「ボヤくなって、あとで幾らでも優しくしてやるよ。いまはとにかく、安全圏まで脱出するのが先決だ」

「…厄介な連中が覗き見してることだし?」

「そうそう」

「いったい、何の話をしてるんだい?」

 厄介な連中、のくだりで、話の意図を汲み取れなかったクレインが質問する。

 ベケットとチャペルは顔を見合わせ、そういえばヘッドセットがないとレーダーが機能しない…正確に言えば、レーダーが受信した情報を読み取る手段がなくなることに気づき、言った。

「いいか、大声出すなよ…いま、オレたちの背中を狙ってる連中がいる。手を出さないのは、敵かどうか判断できてないからだろ…中国軍や、大連…中国企業の連中じゃねーな」

「うへぇ。迂闊な動きをしたらヤバそうな感じだね」

「だから、こっちは気づかないフリして逃げるのが一番ってこと。ね、クーやん、ただ警戒は怠らないようにね」

「アイアイサー、お姫さま(Princess)」

 

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「どうやら、連中は撤退するようです。追いますか?」

「いや、やめておけ。おそらく、向こうもこっちの存在に気づいてるだろう」

 正体不明の連中が街中で交戦している、という報告を受け、ベケットたちの戦いの様子を影からじっと見守っていたのは、フランスの企業アルシッド・エレクトロニクスが擁する私設軍のアドバイザーであり、また自らもFELIN装備の部隊を率いるダングラールだった。

 破壊工作を行なった反政府ゲリラとの交戦の帰りに、少人数を率いて向かってきたはいいが…

「識別信号は米マカラハン・コーポのものだが、あんな装備は見たことがない。調べてみる必要があるな」

「いますぐ連中を捕らえて尋問すれば早いのでは?」

「迂闊なことをして米国との軋轢を生んでは元も子もない。功を焦るな、友よ(Mes ami)。機会はいくらでもある」

 血気盛んな部下…フランス外人部隊出身の荒くれだ…の言動に苦笑を漏らしつつ、ダングラールはマントを翻し、その場から立ち去った。部下たちもその後に続く。

 

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 一方で、ベケットたちの正体を疑っていたのは彼らだけではなかった。

「本当に宜しかったのですか?会長」

「なにが?」

 大連工業公司私設軍、作戦司令室。

 本来ならばこの司令室の中で最高の権限を握っているはずの男は、自らの作戦を鶴の一声で中止させた女性に嫌悪とも畏怖ともとれぬ微妙な表情のまま口を開く。

「たしかにエージェントは負傷していましたが、あのまま戦闘を続行しても勝つ見込みは充分にあったはず」

「そう思う?たしかに敵の霊力は微弱、装備に頼り過ぎる面もある。でも、あの戦い方、あの場慣れを甘く見ないほうがいいわ。あの連中、ただの企業の犬ではないわね」

「…まさか」

「おそらくは政府組織の所属、それも諜報機関員…国外での活動に精通した、ね。それが企業工作員を装って反政府組織の狐魂と接触、面白い話だと思わない?もうちょっと泳がせておいてあげましょう」

 そう語ったのは、鮮やかな銀髪に民族衣装風の装飾を身につけた、ダークスーツの女性…三姉妹の母にして大連グループの会長、コン=エルコ。

 大連グループが近年になって大幅な業績を上げるようになったのは彼女の采配によるもので、その権力は大連のみならず中国共産党内部にまで及ぶ。決して表舞台には姿を現さず企業を影で操る彼女のことを、阴影的母亲(Mother of shadow)と呼ぶ者もいる。

 ベケットたちをみすみす逃した点に関しては承服するとして、それでもまだ納得しきれていない司令官はさらに言葉を返す。

「しかし、あの娘たち…失礼ながら、会長のご子女は能力は充分ながら、ややプロに徹しきれない面がある様子。もうすこし任務に忠実に、非情に徹していれば、もっと上手くやれたはず…と思われる箇所が幾つもありました」

「そうね。その点に関してはちょっと叱ってあげなきゃ駄目かもね」

「かもねって…」

「いいこと、私は任務に盲目的に従うしか能のない肉人形なんかに興味はないわ。まして、愛娘に厳しい訓練を課したのは都合の良い奴隷を作るためではないしね…といって、貴方に理解できるかしら?」

「ご冗談を」

 ウフフ、と不敵な笑みを浮かべるコン=エルコの意図を汲めないまま、司令官はあまり上手くない愛想笑いを浮かべる。

 もっとも苦言を呈しはしたが、本気で反抗するつもりはない。そんなことをしたが最後、「お前の代わりは幾らでもいる」とばかりに今の地位を剥奪されかねない。といってもコン=エルコがそういった采配を振るうのは、反抗よりも無能が露呈したときに限られるが。

 これ以上反論したものかと司令官が唸ったちょうどそのとき、三姉妹…コン=エルコの実の娘たちが帰還した。

 本心では娘たちのことを心配しているのだろうが、それとは別に加虐的嗜好を持つコン=エルコがサディスティックな笑みを浮かべたのを見て、司令官は三姉妹たちに同情の念を覚えた。影の女王に逆らえる者などいやしないのだ。

 

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 一ヵ月後…

 

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[†探知しちゃうぞ†:そろそろ新しい義体に慣れました?]

[じゅりえっと教会:ようやくね~。でもさ、経理がすごい嫌味言ってくるのよぉ。もう義体のストックがないって。普段無茶やって身体交換してるのはべーやんなのに、たまたまアタシが事故ったときに限って文句言ってくんの、もう頭きちゃう(:-<]

[†探知しちゃうぞ†:怒ってますね(´・ω・`)]

[じゅりえっと教会:激おこだよぉ(o # ̄ ^  ̄) o=3]

 

 チャペルはいま、自身の首筋から伸びるケーブルをハイエンドPCに接続した状態でリクライニングチェアに背をもたれていた。

 目前の液晶ディスプレイにはゲーム画面とプライベートチャット(テキストオンリー)のウィンドウが出力されており、チャペルは両手を肘掛けに乗せたまま脳波でテキストをタイプ、送信している。

 ベケットやクレインとは違い、チャペルは脳そのものに過度な改造が施されており、半ばデジタル機器と化した脳内に搭載されたニューラル・インターフェースを介して電子装置を意のままに操ることができるのだ。高度な演算装置を積んだ脳は、端末から出力されたデジタル情報を瞬時に解析し、理解することも可能である。

 カラン、大粒のロックアイスが揺れる背の高いグラスを傾け、チャペルはダイエットコークを一口啜る。普段はアルコールを好む(特にカルーアのカクテルがお気に入り)のだが、まだ義体が「定着」しきっていないため、刺激の多い飲食物は医者から止められているせいだった。

 それというのもツァンダでの作戦からの帰還後、肉体の損傷が激しすぎるため治療するよりも「交換」したほうが早い、と判断されたためだった。おかげで任務活動に支障をきたし謹慎中の身分となったわけで、その間の暇をチャペルはゲームで埋めていた。

 モニターに写っているゲーム画面は、世界的人気を誇るストラテジーゲーム「シヴィライゼーション」。いまなお新作の開発が続くタイトルだが、チャペルがプレイしているのは比較的古いナンバリング・タイトルである。

 ネット回線を介したマルチプレイ対戦ではテキストチャットが標準でサポートされているが、チャペルがいま無音のコミニュケーションを交わしているのはゲームとは別に用意したチャットルームによるものだ。サーバからセキュリティまで自前で用意した代物で、企業重役の密談に使うような堅固なプロテクトがかかっているわりに、用途はゲーム仲間との雑談くらいだったりする。

 チャペルのハンドルネームは「じゅりえっと教会」。ちなみに現在ログインしているのは二人だけで、「†探知しちゃうぞ†」を名乗るのはツァンダの作戦でチャペルたちのバックアップを行った狐魂ソナーである。

 現在ゲームは後半戦を迎え、チャペル、ソナーを含む八人のプレイヤーが参加していた試合は大詰めを迎えていた。

 マップは東西に二分された島として形成され、チャペルとソナーはそれぞれ別の島に配置された状態でスタートした。

 東の島の北端から開始したチャペル(アメリカを選択)は牛や小麦などのボーナスタイルに恵まれ、人口増加を利用して次々と都市を建設。初期ボーナスの斥候で蛮族から技術を入手しつつ、シールド生産量の多い都市でピラミッドの建設に成功。さらに人口増産を促進し、文化圏を拡大させていった。

 網目状に張り巡らされた都市管理を緻密に、素早く行うチャペルの能力は非凡で、システム上の制約はないもののマナー上素早いゲームプレイが求められるオンライン対戦においてかなりのアドバンテージを生み出していた。

 やがて南下したチャペル・アメリカは直近のモンゴルと小競り合いをしていた日本と接触。未だほとんど勢力拡張していなかった日本は対モンゴル同盟を打診してくるが、その直後にモンゴルからも接触を受ける。

 日本と違いモンゴルは南に向けてかなり勢力を伸ばしており、島の南端に位置するフランスと交戦中だった。日本へは国力を疲弊させるため余剰戦力を回していただけらしい、所謂舐めプである。

 けっきょく三国は手を組み、さらに立場の弱い日本は相互通行条約を呑まされることに。フランスはチベットに受け持ってもらうとして、ここではじめてチャペル・アメリカは外洋の探索へと乗り出した。

 一方、ソナー(オスマントルコを選択)は序盤から厳しいゲームプレイを強いられていた。

 西の島の南端に配置されたソナーの周囲はツンドラや湿地に覆われており、勢力の拡張が遅々として進まない。ようやく北へ探索を進めた頃には、発見したイギリスがいままさに中国に陥落されようとしていた。

 イギリスは中国に資源のほとんどを無償で譲渡するという条件とともに和解。島の中央という難しい初期配置だったにも関わらず、見事に勢力を拡大させていた中国は一気にソナー・オスマントルコへ侵略の魔手を伸ばす。

 しかしここで劣悪な地形が功を奏し、中国の侵攻はなかなか進まない。一方、中国は勢力拡大と兵力増産を重視し技術開発が遅れていると推察したソナー・オスマントルコは、技術提供を条件に講和を提示。中国と同盟を結ぶ。

 これまでチャットで情報交換を行っていたチャペルとソナーが知らなかった最後の一国、西の島の北端に配置されていたのはローマ。これまた資源に恵まれ、さらに鉄を入手していたローマは早期に軍団兵を増産。汎用性の高いこのユニーク・ユニットに中国は手こずり、イギリスから馬を入手したことで騎乗兵ラッシュを仕掛けるも、ローマの防備を崩せないでいた。

 

[†探知しちゃうぞ†:まぁ、私が冷や飯食らいなのは変わらないですけどね;;]

[じゅりえっと教会:ローマと中国どっちに接触するかで展開が変わりそうなのだわ。しっかし、単独で他三国に喧嘩売るなんて無謀ねー。その中国]

[†探知しちゃうぞ†:リベンジしたいけど、私のまわりは足場が悪いし技術奴隷になるため内政特化しちゃったんで、お役には立てないです]

 

 ここで、中世末期までの各国の状況をおさらいしよう。

 チャペル・アメリカ…東島の北端からスタート。食料資源に恵まれていたのと、他の国から離れた立地だったことが幸いし広大な都市勢力を広げる。日本やチベットと接触し同盟を結んだあとは他の勢力との接触・交渉を試みるべく外洋探索へ乗り出す。

 ソナー・オスマントルコ…西島の南端からスタート。立地が酷く都市開発がほとんど進まないまま時間を過ごしていたが、その足場の悪さから中国の侵略を免れ、継続的な技術提供をすることを条件に和解。以降は軍備拡張を破棄し、内政に特化する。

 日本…東島中部の北からスタート。序盤に蛮族の襲撃を受け、またチベットとの小競り合いの末チャペル・アメリカからの挟撃を受け、唯一保有していた鉄を明け渡す。立地が中途半端なため建築や技術開発も今一つ進まず、詰んでいる。

 イギリス…西島中部の南からスタート。出だしは悪くなかったが、内政に振りすぎて軍備をほとんど揃えていなかったため、北の中国に電光石火の勢いで侵略される。馬や贅沢品などの資源を根こそぎ奪われアヘ顔Wピース状態に。詰んでいる。

 モンゴル…東島中部の南からスタート。資源に恵まれ、騎乗兵で南のフランスに圧力をかける傍ら、ゲーム開始時点で死に体だった日本にちょっかいをかける。チャペル・アメリカと同盟を結んだあと、対フランス戦略と外洋探索にそれぞれ役割を分担することで合意を得る。

 中国…西島中部の北からスタート。資源に恵まれ、歩兵の大量増産によって南のイギリスを陥落。ほぼ同時期に北のローマとも交戦を開始するが、厚い防備の前に苦戦。ソナー・オスマントルコからの技術供給を受けるも、決め手に欠ける一進一退の攻防を続ける。

 フランス…東島の南端からスタート。序盤にモンゴルからの騎乗兵ラッシュを受けるが、槍兵の増産によってこれを食い止める。一時は押されていたが、火薬と硝石の発見による銃士隊の配備で戦力を盛り返す。じつは早期に外洋探索を行っており、イギリス経由で中国と国交を結んでいる。

 ローマ…西島の北端からスタート。鉄の発見により軍団兵を増産し、中国からの侵略を食い止める。ときおり遊撃隊を派遣し中国を牽制しながら内政を進め、順調に都市開発を進めている。ただし、他国との国交がほとんどない。

 そして近代へと突入。ここで西島に異変が起きた、なんと中国がゴムと石油を手に入れてしまったのである!戦車による軍隊を編成した中国は、ここで一気にローマを侵略。チャペル・アメリカが急ぎローマとの接触を計ったときには、すでにローマは白旗を上げ鉄を譲渡してしまっていた…すでに石炭を確保していた中国は鉄道を敷設し、さらに成長を加速させる。

 一方、東島は膠着状態に陥っていた。近代の技術開発によって出現する戦略資源が東島でしのぎを削る三国に見事に分散し、同盟を結んでいたチャペル・アメリカ、モンゴルの間に不和の兆しが芽生えたためだ。しかし西島が中国一強になりつつあることを認識した三国は結託してこれに対抗することを決めたものの、資源の分配については揉めに揉め、けっきょく各国が中途半端な軍備を抱えたまま対中国戦略を練らざるを得なかった。

 しかもフランスが他国に先駆けて中国と国交を結んでいたことが露見し物議を醸すが、フランスは中国と和平条約を結んだのち東西勢力衝突の暁には秘密裏に東勢力へ援助を行うことを約束。ひとまず衝突は避けられた。

 そして現代。ここで、またしても異変が起きた。いままでその存在を忘れられていた日本の土地にウランが出現したのだ!

 すぐにウランの譲渡を求める東島三国、しかしここで日本はとんでもないことを言い出した。「もし日本に侵略したら、ウランを中国に渡すぞ!」海路から中国と国交を結んでいた日本が出した条件は、対中国戦略の一環として核開発は自分にやらせろ、というものだった。

 チャペル・アメリカ、モンゴル、フランスの三国は頭を抱えた。序盤から弱小国の烙印を押されヤケを起こしていた日本に核開発をさせたら、どこに核を撃ち込まれるかわからない。しかしここで中国がウランを手にすれば、戦力の差は決定的なものになる。けっきょく、三国は日本の核開発を許さざるを得なくなった。

 当然その不穏な動きを静観するほど中国は呑気ではなく、ウラン以外のあらゆる戦略資源を入手し肥大化超帝国と化していた中国は東島各国に圧力をかけはじめた。

 ここに至るまで東西間の対戦が勃発しなかったのは、海を挟んでいたため侵略が難しいという理由があった。しかし、それも既に限界に達しつつあった。

 

[†探知しちゃうぞ†:どうしましょう?もし中国がウランを手に入れたら、あっという間に戦術核を大量生産しちゃいますよ]

 

 事態を憂慮するソナー、しかしチャペルはモニターの前で不適な笑みを浮かべていた。

 

[じゅりえっと教会:ねぇ、勝ちたい?]

[†探知しちゃうぞ†:そりゃあ、勝ちたいですけど…]

[じゅりえっと教会:そうぢゃなくて。あなたの一人勝ちで試合を終わらせたい?ってコト]

[†探知しちゃうぞ†:(;゚ Д゚)!?]

 

 東側は互いを信頼しきれないため、どうしても足並みが揃わない。一方西側で一強となった中国は単独で東側を相手にしなければならない。つまり、長期戦になる…それが狙い目だ。

 チャペル・アメリカはまずイギリスを侵略し、イギリス以南を中国からシャットアウトすることで資源と技術の供給をカットすることをモンゴルとフランスに提案する。そうすればソナー・オスマントルコは自動的に孤立し、技術開発が進んでいるものの軍隊を保有していない彼女は事実上の戦力外として無視されることになるだろう。

 あとはウランを中国に渡さないようにしつつ、「その時」が来るまで時間稼ぎをすればよい。

 ローマの動向が気になるところだが、ローマは中国から援助を受けるかわりに海岸線の防備を強化した。つまり、ローマは中国についたらしい。

 終始侵略されっぱなしでボロボロのイギリスを前線基地として運用する傍ら、チャペル・アメリカは秘密裏にソナー・オスマントルコへの資金提供を行う。広大な都市網が生む利益を最大限に活かした形である。

 だがしかし、ここでまたしてもトラブルが生じる。戦術核の開発に成功した日本が、チャペル・アメリカの首都に向けて核を打ち込んだのだ!

 大打撃を受けたはずのチャペル、しかしソナーに支払われる莫大な資金は途切れる気配がない。

 

[じゅりえっと教会:フフフ…こんなこともあろうかと、すでに首都を別の都市に移していたのヨ(ズビシ]

[†探知しちゃうぞ†:オオゥ、抜け目ないデスネ!]

 

 かくして反旗を翻した日本は他三国にボコボコに叩かれ、ついに文明が崩壊した。しかし日本が滅んだことで事態はさらに悪化し、戦争は泥沼の様相を呈する。

 だがその間も、悪劣な土地にぽつんと取り残され忘れられているソナー・オスマントルコは密かに活動を続けていた。

 

[†探知しちゃうぞ†:準備できました、間もなくすべてが開発完了します…いけます!]

「じゅりえっと教会:よォーし、いったれー!]

 

 そして。

 ゲームは、チャペル以外の誰もが気づかぬ間にソナーが建造を進めていた宇宙船の打ち上げとともに終結した。所謂、宇宙勝利というやつである。

 誰もが想像だにしていなかった結末に唖然とするなか、チャペルとソナーはプライベート・チャットでガッツポーズを送りあう。

 ゲーム終了後、システム内チャットで以下のような言葉が交わされた。

 

[hakujyu(日本):そうか、核じゃなくて宇宙船を打ち上げればよかったのか…次はこうはいかんぞ!]

[T-yama(イギリス):いやぁ~参ったな、ほとんど何もできずにおわっちゃった(笑)アグレッシヴな戦略も学ばなきゃ駄目だね]

[Blaz(ローマ):外交を度外視して内政に専念してたのが仇になりました。悔しい…]

[DamDamDamn(フランス):ビューティホ!美しい勝利だった、健闘を称えるよ]

[SandFox(モンゴル):むぅ、どのみち中国に勝利を奪われなかったから、良しとしよう]

[Juliet Chappel(アメリカ):ところで中国のプレイヤーは?]

[Rezultat în detectarea(オスマントルコ):もうログアウトしちゃったみたいです。せっかちだなぁ]

 

 ほぼ丸一日かけて行われたゲームを終え、また一緒にプレイできることを楽しみにしながら一人、また一人とログアウトしていく。

 チャペルとソナーもゲームを終え、しばらくプライベート・チャットで感想を言い合っていたとき、チャペルが異変に気づいた。

 

[じゅりえっと教会:…誰かがアタシのPCに侵入しようとしてる]

[†探知しちゃうぞ†:えぇっ!ダイジョブなんですか?]

[じゅりえっと教会:どうも、さっきのゲームの回線を辿ってきたみたい。悪くない腕だワ、ま…見つかった時点でハッカーとしては失格だけどね]

[†探知しちゃうぞ†:どうするんです?]

[じゅりえっと教会:その気になれば「焼ける」けど、しばらく様子を見て…あ、チャットルームの存在を嗅ぎつけられた。まさか、ここが目的?]

 

 やがて何者かがチャットルームのセキュリティを無効化・パスワードを発行し、ログインしてくる。

 

[CON=FUCKがログインしました]

[†探知しちゃうぞ†:FUCKとかマジ(;^_^]

[じゅりえっと教会:特にNGワーオは設定してないからね、ここ私物だし]

[CON=FUCK:あーッ、やっぱり!あんたらグルだったのね!?]

 

 どうやらチャットのログを見たらしい、侵入者はいの一番に二人を糾弾してきた。

 

[†探知しちゃうぞ†:もしかして、さっきのCIVで中国やってた人?]

[CON=FUCK:おッかしいと思ってたのよ、いくら技術先行してたからって、あんなにすぐ宇宙船の部品を揃えられるはずがないもん!裏でコソコソ手を結んでたなんて、卑怯よ卑怯ーッ!]

[じゅりえっと教会:勝てばよかろうなのだァァァァッ!!]

[CON=FUCK:こいつ開き直りやがった!]

[じゅりえっと教会:言いたいことはそれだけカシラ?いまなら黙って見逃してあげるけど、これ以上居座ってgdgdし続けるつもりなら、そっちのPCに強烈なやつを一発お見舞いするわよ]

[CON=FUCK:うぅ~~~…今度対戦するときはタダじゃあおかないからねッ!絶対勝ってやるんだから!]

[CON=FUCKさんがログアウトしました]

[†探知しちゃうぞ†:…いまの、なんだったんでしょう]

[じゅりえっと教会:しらな~い。ひらが。げんな~い。そろそろおやすみ。ぐっな~い]

[†探知しちゃうぞ†:にょろーん。私もそろそろ寝ます、おやすみなさいですー]

 

 やがてソナーがログアウトし、チャペルもチャットを閉じる。

「とりあえずセキュリティは再構築するとして…さっきの、本当に、なんだったんだろ」

 それにしても、ハンドルがCON=FUCKとは。なんて下品な…それに高度なセキュリティを突破してまでやることが、ゲーム内での恨み辛みの吐露だったというのも解せない。

「CON=FUCKねぇ…CON=FU…」

 そこまで言って、チャペルは「ハッ」となる。

「…まさかね」

 一瞬だけ自分の脳裏に浮かんだ考えを、しかしチャペルは一笑に伏して忘れようとする。

 なに、ただの偶然だろう。

 

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 一方、コン三姉妹の生活の場である共同宿舎にて。

「あ゛~~~ッ、もう!く゛~や゛~し゛~い゛~~~ッッッ!!」

 PCモニタの前で、キーボードをバンバンと叩きながらコン=フーが叫び声を上げた。だってお(ry

 先のゲームで中国を演じていたのは、何を隠そうコン=フーその人だった。彼女は兼ねてよりチャペルが参加するゲーム・コミュニティについて調査を進めており、今回ツァンダでの雪辱を晴らすべく勝負を挑んだ次第である。

 そしてコン=フーに手を貸していていたのは、妹のコン=ホー。そもそもストラテジーのような緻密な計画と頭脳戦を駆使するゲームが苦手なコン=フーに戦術の手ほどきをし、持ち前のハッキング能力でチャペルに気づかれることなくゲーマーアカウントを探り当てたのは彼女の功績だった。

 もちろん乗り気ではなかったが、最終的に手を貸すあたり、なんだかんだ言って姉想いなのである。

「フーが見苦しい。」

「だぁってだってだってーーー!だってだってなんだもん!」

「ハァ…」

「お姉ちゃん、ゲームはムキになってやっても面白くないよ?」

 いま横から口を挟んだのはコン=シェンである。彼女は巨大液晶テレビに接続された家庭用ゲーム機で遊んでいた、タイトルはバイオハザード…ジャンルはまったく異なるが、こちらも世界的にヒットしているゲームである。

『なんか言ったか?』

「ううん、こっちの話」

『そうかい。おぉっと、いまゲーセンからでかいのが出てきたぞ、C4仕掛けるから離れてな!』

「アイアイサー!」

 テキストチャットでプレイヤー間のコミュニケーションを図っていたコン=フーとは違い、コン=シェンはボイスチャットを使って協力プレイ中のユーザーと会話していた。まったく今風のゲーマーの姿である。

 ヘッドホンから僅かに漏れ聞こえる男の声に、コン=フーは片眉をピクリと動かす。

 もっともコン=シェンは昔から性差を気にしない性格だったから、相手を異性として意識しているわけではないのだろう。とはいえ、あまり異性との付き合いに縁がないコン=フーとしては、面白くない話ではあった。

 しかもこの二人はかなり仲が良いらしく、しょっちゅう一緒にゲームをプレイするどころか、普通口にしないような仕事に関わる話まで平然としているのである。機密保持の観点からも、コン=フーとしては心中穏やかではなかった。

「ところで今度さ、キミの国に行くことになったんだけど」

『おいおい、まさかコロシじゃねーだろうな?』

「しらないよ、ボクは仕事でやるだけだもん…なんてね。大丈夫だよ、ただのボディガードだから」

『へぇ。ところでバスの脇のハーブ取ったか?』

「あーゴメン、それもう使っちゃった。でさ、ちょっと頼みがあるんだけど」

『なんだ?』

「ちょうど、派遣される時期がNBAのカンファレンス・ファイナルと被るんだよねぇ。キミの権限を使ってなんとか、チケット取れないかなぁ?」

『…ッおまえなぁ~。オレをなんだと思ってんだぁ!?』

「そこをなんとか頼むよぉ~。一回でいいからナマでファイナルを観てみたいんだよぅ」

 こゃゃーん。

 とっておきの猫撫で声、いや狐撫で声で甘えるコン=シェン。当人は意識していないだろうが、これぞまさに女の武器というやつである。末妹の秘めた力に、コン=フーは改めて恐ろしさを覚えた。

『…しゃーねぇ。VIPの警護用の席をどうにかして空けてやるよ』

「ホント!?マジで?いいの?」

『ホテルはリッツ・カールトンでいいよな?レンタカーの予約も入れておいてやるよ、どうせそのへんのことは何も考えてないんだろ?当日じゃ地元のホテルやレンタカーなんて取れねーからな、こっちで勝手に手配しとくぞ』

「さっすが、一流エージェント!頼りになるゥ」

『そのかわり、オレがそっちに行くようなことがあったら贔屓してくれよな』

「もちろん、まかせてよ!えへへ」

 どうやらツァンダの任務での暗殺目標だった男らしいのだが、なぜこんなに仲良しなのかはコン=フーには知る由もない。

 もちろんコン=ホーにとってもそれは喜ばしいことではなかった。

「…いつまた任務で殺し合うことになるかもわからない相手なのに、仲良くするなんて…感心しないよ」

「まったくだよ。シェンってばいつもああなんだから」

「いまの、フーにも言ったんだけど」

「え?なんであたし?」

 コン=ホーの言葉に、コン=フーはきょとんとする。

 彼女がどう思っているかはともかく、コン=ホーにとってはコン=フーも相手と仲良くゲームをしているようにしか見えなかった。

 とはいえ、ここでガミガミ言ってどうなるものでもない。

「…いざってとき、情が沸いても知らないから」

 そう言って、プイ、コン=ホーは背を向けた。

 

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「甘いよねぇ、キミら」

「なんだよ中尉、不満でもあるのか」

 似たようなやり取りは、各地に用意してある隠れ家のうちの一つでゲームに興じていたベケットたちの間でも行われていた。

 CON=FUCKの正体を訝るチャペル、ボイスチャットでコン=シェンと雑談していたベケットに、クレインが苦言を呈する。

「はっきり言って、いつまた任務で敵対するかもわからない相手と和気藹々するのは感心しないな」

「おまえねー。どうしてそういうテンション下がるようなこと言うんだよ?そんときゃそんとき、で割り切りゃいいだろうに」

「そうだよクーやん、深刻に考えすぎ」

 口を揃えて反論するベケットとチャペルに、クレインは思わずつぶやいた。

「もし次もまた敵同士で再会したとき、後悔しても知らないよ」

 そして。

 

「「ハァ。」」

 

 クレインとコン=ホーが同時にため息をついたことは、当人たちですら知らない。

 

 

 

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